『古裂の額装』のご依頼をいただきました。
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ご依頼者様のイメージは
過去にご覧になった作品が根底にあるようで…

 『大きさもカタチもまちまちな布が
  ランダムにポンポンと並んでいて
  それが額縁に入っている』

というもの。

過去の記憶を言葉で聞き
記憶と同じようなモノを創る。

無理は承知ですが、
なるべくその記憶に近づけられれば…

伺ったイメージから連想して
カタチにしてゆくために
まずは全ての布をカラーコピー。

これなら
ザクザク切ったり
ペタペタ貼ったりできます。


あーでもないこーでもない
試行錯誤したのですが

どうしても
隣り合わせにすると
喧嘩をする色と色(相性が合わない)
ぼんやりしてしまう柄と柄(個性が生きない)
ってあるんですね。

結果。
ご記憶から連想して創ったカタチは
なんだかモヤッとスッキリしないモノになり…。

で、
今度は自分の感覚で
もうひとつサンプルを創ることに。

お預かりした布を
相性の良い色同士、3つのグループに分け
それぞれの中で
柄の個性が引き立つようレイアウトしたところ…
スッキリ。

ここで1度
ご依頼者様にサンプル2点をご提案したところ
後者でOKいただけたので
早速、布での製作に入ります。


まずは
全ての布に裏打ち(作品をしっかりさせる加工)を施します。

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布がピシッとしましたね。

次に
使う柄の部分を再度熟考し、カットします。
隣り合う切り口はスパッとまっすぐに。

更に
隣同士をつなげてゆきます。
切り接ぎという掛け軸の製作で使われる技法です。

そしてつながった布をしっかりさせるために
再度、裏打ちをします。

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もみじ、梅、菊、松 がチョコッと見えるように…

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格子柄は両サイドがまっすぐになるように…

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絞り柄は菱形になるように…



この3つを作品として、額装します。

今回、ご予算の関係上 
額装用マットは厚紙で代用。
額縁はワイン系のダークブラウンを選びました。


で、完成。
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ヨコでもいいかも。
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創ったモノをお渡しする時…

受け取る側もワクワクすると思いますが
お渡しする方もワクワクするものです。


喜んで頂けたようなのでひと安心。
ご依頼、ありがとうございました。